気がつけばあれからもう一週間がたとうとしていますね。
9日に行われた、クリエイターズ講座の模様をお伝えします!
「ディレクター入門初級篇〜ワンカットに魂を込めよう!〜」
をテーマに、映像を撮る上で必要な最低限の知識について教えていただきました。
今日は当日使用したレジュメの内容を元に一部お話をおさらいします。
ディレクターとは
direction = 方向を決める人・監督・演出家
ディレクターの3大原則
1.考えよう!
どんなカットでもその画で伝えられる内容を常に考えながら撮る事で、作品の重みが変わってくる。すべてのカットに、演出としての“意味がある”ようにする。
2.惚れよう!
映像の持つ魅力、それによって伝えられる物の範囲の大きさを知っていることが必要。
3.決断しよう!
映像の時間尺は無制限ではないので、どんなに自分では良い絵が撮れたと思っても、必要に応じてそれを“切る”必要がでてくるときもある。その決断ができるかどうか、そして取捨選択の判断が重要。
その他、映像の“サイズ”や“動き”についてそれぞれの名称と、その画によって視聴者に与えうる意味について、実際にビデオカメラで画をとりながら解説していただきました。
普段は「撮る時は感覚で」とやってしまいがちですが、実際にそれぞれを理解しておくのって重要ですね。
また、前の記事でも書きましたが、今回は事前に映像を撮ってくる、という課題をいただいていたので、1年生数名で撮影・カット編集をしてもらいました。
単独でカメラを回すのはほぼ初めて、という彼ら。
期間は構成練りから含めて三日間と短かったのですが、今回の講習でディレクターの方に作った課題を実際に批評していただけたのは、とてもよい経験になったはずです。また、今後もつづけたいですね。
以下、参加した1年生達によるレポートです!
・高田くん(主に撮影を担当)
『ワンカットにどれだけの意味をこめるか』
今回参加して僕が一番印象に残った言葉です。課題制作では、「高田馬場ウォッチング」というテーマで、高田馬場ときいてイメージするものを撮りました。
僕は大学から駅にかけての道をいつも歩いているので、「街を歩く中で、道沿いに広がる様々な店」というものに注目しました。
ラーメン屋が多いことや、路地裏にも店があることを表現しようとしたり、たくさんの人が行き交う街というものなどを撮ろうとしたのですが、三井さんのお話をきき、つめの甘さや他にもたくさんの注意点があることに気付かされました。
これからカメラを使う機会がある時には、映像だけで伝えられること、また音と映像でその場の空気を伝えること、また視聴者の視点に立って撮ることができたらなと思います。
今までなんとなく使っていたカメラが、ここまで奥の深いものだと知り、映像に対する興味が一気に大きくなりました。
夏休みはたくさん撮ってみて、また何か発見できたらなと思います。
・恩田くん(主に編集を担当)
今回ディレクターズ東京の講演会において、課題制作である『高田馬場ウォッチング』を制作していく上で映像のカット編集に携わることで、この講演会に参加させていただきました。
三井さんのお話を聞くまでは、映像だけでは十分に発信者の意図を伝えきれないのではないか、映像だけではなく、やはりナレーションがないと視聴者には伝えたいことが伝わらないのではないかと思っていました。
しかし、三井さんが講演会の序盤におっしゃっていたように、テレビというメディアは映像が命であるということ、映像で語るのがテレビなのである、という強い主張がとても心に残りました。
普段何気なく見ているテレビの映像も、これだけ詳しく分析してみると、本当に奥の深い世界で、テレビに映し出されている映像の裏に撮影者の複雑な意図が隠されているとは、以前は全く思いませんでした。
撮影者が強調したいときにはズームの手法を使うのではないか、という程度のことは分かっていたつもりでしたが、BS、WS、KS、FFなど、人物を撮影する時の撮影の仕方の違いを説明された時は、視聴者が気付かないであろうところにも撮影者は配慮して、映像に意味を持たせようとしているのかと思い、とても感動しました。
そして、先ほども述べましたが、僕は課題制作にカット編集を施すことでこの制作作業に関わらせていただきましたが、編集をしている側から見た感想も述べてみたいと思います。
カット編集の作業をしていた時は、映像がこれほど意味を含んでいると自覚していなかったので、単純に切れ目がいいところ、カットしても不自然ではないところで適当に映像をカットしていました。
しかし、三井さんの説明を聞いていく中で自分自身思ったことは、せっかく撮影者が撮ってきた映像も、編集次第で視聴者に伝わる部分が決まってしまうのではないかということです。
撮影者と編集者が同じであれば話は別ですが、今回のように他の人が撮影してきた映像を僕の主観だけで編集していくと、撮影者が伝えたいことが十分に伝わらないということが起きてくるのではないかと思いました。
今回の講演会を聞いて、映像だけでも十分意味を持たせられるということが分かったし、映像の力の大きさを実感しました。
個人的にこれから編集作業をする機会が増えてくるので、自分自身で映像を撮影する時はもちろんのこと、編集をする時も、撮影者の意図を十分にくみ取り、配慮しながらも、自分の目指す編集をしていきたいと、改めて思いました。
・村上さん(全日参加)
今回初めてディレクターズ東京さんの講演に参加させていただいたのですが、始めから終わりまで勉強になることばかりでした。
主にカメラワークについてのお話で、その動きひとつひとつにちゃんとした意味があることにとても関心を持ちました。
課題制作を講評していただいたときに私たちが考えてもいなかったような意味や情報の指摘をされたので、自分達が思っているよりもはるかに映像には何かを伝える可能性があるんだと思います。
工夫次第でどれだけでも映像に様々な意味を込めることができ、それを編集に活かすこともできるので、今後の活動に非常に役立つ講演でした。
また次回もぜひ参加したいです。
貴重なお話をありがとうございました。
早稲田大学放送研究会 広報部
蓑輪 幸彦
http://www.whknet.com